みなさんこんにちは、仙台店の山川です。
仙台店12周年記念イベントのひとつとして毎月ひとつずつお披露目している記念鞄ですが、4月25日より第4弾の鞄、「三つのかぶせと五本ベルトのリュック」が発売になりました!
今回は製作者である僕から、この鞄の魅力や思い入れをお伝えしたいと思います。
鞄に込めた思い
記念鞄を作ることが決まってから形になるまで試行錯誤の日々が続きましたが、満足のいく鞄が出来上がりました!サイズや形、ショルダーなのかリュックなのか、色々変われども根底にあった思いは、
「ヘルツらしい、記憶に残る鞄を作りたい」という思いでした。
遠くからでも一目見るだけでヘルツと分かるような鞄、持つだけで心が躍るような鞄、そんな鞄を目指していました。
僕にとってヘルツらしいとは、丈夫であることと、素材の魅力を伝えられていること、の二つ。
丈夫で長く使えることはヘルツの共通認識でもあり、日々の制作過程でも新しいモノを生み出すときでも一人ひとりが大前提として意識していることです。
ヘルツで使用しているオリジナルレザーは2種類で、それぞれにいくつかの厚みがあります。
うすくて柔らかい革を使用した鞄でも、長年の使用に耐えられるような工夫をしています。
ただやっぱり、ヘルツのオリジナルレザーの中で一番厚い3.5mmの厚革が生み出す丈夫さは、他の革では出せないヘルツならではの唯一無二の丈夫さであると思います。
厚い故に重さはあるかもしれない。だけど、10年先でも使っている想像が出来るような頼もしさがある。そんな丈夫さを今回は詰め込みたいと思いました。
もうひとつ意識したのは、ヘルツが扱う素材の魅力を最大限引き出すこと。
ぱっと見て「ヘルツの鞄だ!」と思わせる一端を担っているのはやはり、革本来の表情をダイレクトに感じられるオリジナルレザーと、それをザクザク縫い合わせる太い糸ではないでしょうか。
この革の魅力と存在感のあるステッチを見てもらいたい。これも今回のテーマでした。
完成に至るまで
これらを生かすとなるとやはり、A品番に多く見られるような昔から作り続けているハードレザーを外縫いした鞄に辿り着きました。
この中に混ざっても埋もれないような存在感と、日々使いたくなるような道具としての機能を持たせることを目指して、試作の日々が始まったのでした。
思いついた断片的なアイデアを書き留め続け、今の形の原型が定まったのが昨年の9月。
電車の中で急いでiPhoneにメモしたものがこちらです。
そこからマチの作りや縦横比を変えたり……
ショルダー仕様にしたり……
ずっと前からあったようなヘルツらしさを出せているか確認するために売り場に紛れ込ませてみたり……
最終的に、どこを切り取ってもヘルツらしいと感じられる満足のいく形にすることができました!
存在感のあるステッチ、
革の表情を楽しめる大きな盤面やかぶせ、
縫い留められたベルト、
厚革を巻いた取手、
かぶせや角の反りを防ぐ補強、
色々なところにヘルツらしさをぎゅっと詰め込みました。
使い勝手と鞄の名前について
段々に重なったポケットのついた鞄は定番品にもいくつかありますが、複数のポケットを一つのかぶせでとじるタイプが主流です。
ものを取り出すとき、入っているポケットだけ開けられるようにしてみようという単純な発想からそれぞれにかぶせを付けたところ、ありそうでなかった顔になりました。
大きな鞄ですが、意外とサイズの基準になっているのは一番小さなポケットなのです。
普段から欠かさず持ち歩く文庫本を入れるためのジャストサイズのポケットをまず決め、そこから全体の寸法を決めていきました。
その結果、二段目のポケットはB5サイズのノートやタブレットがちょうど収まり、メイン収納部にはファイルやパソコン(サイズによっては入らないモノもあります。)なども入れられる、何とも絶妙なサイズの仕上がりになりました。
シーンに応じて使い分けられ、普段使いから通勤通学まで幅広く対応出来るので、一生モノのリュックとしてお使いいただけると思います。
ところで、「三つのかぶせと五本ベルトのリュック」という名前。
一見、鞄の名前としては長くてあまりスタイリッシュではないような感じがするかもしれませんが、実は狙って付けたのです。
なんかかっこいい名前はないかなと辞書を引いたり、定番品や廃盤品、昔のサンプル品の名前から着想を得られないかカタログやブログのアーカイブを遡ってみたり。
そうしていると、やけに印象に残るのは「建築物のような2wayショルダーバッグ」とか、「三層構造・箱型ボストンバッグ」とか、「初代棒屋根鞄」とか……
いい意味でちょっとダサくて名前ですらヘルツらしい、そんな命名がとても魅力的に感じ、この鞄の顔でもあるかぶせとベルトを素直に名前に組み込んでみたところ、しっくりときたのでした。
最後に
最近は持ち物が少なくなり軽くて小さな鞄が求められている中、あえて軽くも小さくもない鞄を作りました。
大きいし、
最初はハードレザーならではの硬さもあるし、
はじめから使いやすいとはいえないかもしれない。
だけど、ゆっくりと体に馴染ませながら自分だけの相棒として育てていく楽しみはいつの時代も色褪せない魅力だと思います。
そんな楽しさをこの鞄では存分に味わってもらえると思います。
3.5mmの厚革だからこそ引き出せる丈夫さを大事にしました。
何年経ってもへこたれずに使い続けられる道具としての魅力を感じられると思いますので、ぜひお手に取ってみてください。
また、今回作ってみて気が付いたのですが、A品番って純粋なリュックが意外と少ない。
大きな外縫いの鞄が好きな方で、リュックが欲しい方に届くと嬉しいです。
厚革を多用した大きな鞄なので、商品ページに記載の通り2.1kgほどの重さがあります。
ただ、持ったり背負ったりしてみると同じ重さの鞄に比べてあまり重く感じないような……!?
表記の重さで躊躇されている方も、一度店頭で試していただけると嬉しいです。
個人的に、A品番といえばキャメル!というイメージがあるのですが、この鞄は意外とグリーンやレッドもしっくりきました。
おすすめはグリーン。
経年変化したあとの茶色っぽく味わいのある色味がばっちり映える鞄だと思います!
「三つのかぶせと五本ベルトのリュック」をぜひよろしくお願いします!
【仙台店12周年記念鞄】三つのかぶせと五本ベルトのリュック(SND12-04)の商品ページへ
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