思い出の一品 vol.6 青木×アオリノハンドバッグ(Q-9)

こんにちは、HERZオンラインショップの松下です。

現在ある定番品の中で、思い入れのある革製品について、毎回異なるスタッフにお話を聞く「思い出の一品」コーナー。第6弾となる今回は、沢山の女性ユーザーから絶大な人気を誇る、あのハンドバッグに注目しました。

第5弾はこちら:思い出の一品 vol.5 木村×ファスナーブリーフケース(BW-3)

ということで、早速お送りします。
気になる今回の製品は、、、

 

アオリノハンドバッグ(Q-9)

青木の思い出の一品、アオリノハンドバッグ(Q-9)

可愛らしいデザイン性と多機能、多収納が魅力のレディースバッグ、アオリノハンドバッグ(Q-9)に注目しました。

「小分けが出来て仕切りがある鞄が欲しい」というお客様からのリクエストにお応えする形で生まれた、ヘルツには数少ない腕かけが出来るレディースハンドバッグ。一番の特徴となるあおりポケット(盤面サイズの大きなポケット)はもちろん、腕にかけた際の使用感やサイズ感にとことんこだわって作られた、使い勝手抜群の一品です。

 

一番の特徴である、あおりポケット。

前面側と後面側に取り付けられたあおりポケットは、本体の横幅いっぱいまであり、すぐに取り出したい定期入れやハンカチなどの収納にピッタリです。
メイン収納部は長財布やポーチも余裕で入るサイズ感ですが、コンパクト過ぎないちょうどいい大きさも魅力の一つ。
手持ちだけでなく、付属のショルダーストラップで肩掛けや斜め掛けも可能です。
仙台店にてサンプル品として限定販売していた当初から現在に至るまで、多くのお客様からのご好評いただいている、ヘルツの人気商品となっています。

 

今回のスタッフ:作り手 青木

今回のスタッフ:作り手 お青木

今回お話してくれたのは、作り手の青木。
普段は本店の作り手として、主に財布やブックカバーなどの小物類の製作に携わっています。好きなことは旅行。
ヘルツ仙台店に在籍していた頃から明るく笑顔が絶えず、お店全体を明るく照らしてくれている存在の一人です。

 

青木の普段の制作風景

普段の製作作業以外にも、製品の改良ミーティングに参加したり、新作作りにも積極的に励んでいます。

青木
「松下さん、私すごく良い思い出のエピソードがあるんだよ、ちょっと話聞いて!」

と、この思い出の一品というブログの連載をスタートさせたばかりの頃、自らインタビューへの参加に立候補してくれた青木。話を聞けば聞くほど、キラキラとした目で胸に秘めた熱い思いを話してくれました。

 

思いを語る

思いを語る

松下
「よろしくお願いします!なにやら、2年程前に素敵なことがあったとのことですが、、、。」

青木
「そうそう。まだ仙台店に居た時の話なんだけどね。ある日お店に電話がかかってきて、『ブログを見たんだけど、アオリノハンドバッグありますか?』っていうお問い合わせで、片言の日本語で一生懸命お話してくれて、よくよく聞いたらなんと台湾のお客様だったの!国際電話で、電波が悪かったみたいで、言葉だって話がなかなか難しい中、「アオリノハンドバッグ」っていう単語と、すごい熱意が伝わってきて。」

松下
「台湾から?!すごいですねえ!」

青木
「でもヘルツは海外発送には対応していないから、『申し訳ないですけど台湾には送れないんです』って話をしたら、『日本に行く予定があるから、その時に仙台店に行きます』って言ってくれたの。しばらく経ってから、あんなこともあったなあ、ほんとに来てくれるのかなあって思ってたら、電話の2か月後くらいに本当に来てくれて。」

松下
えー!台湾から来てくれたんですか?!

青木
「すごいよね。あれはビックリしたなあ。『ヘルツのことをどこで知ったんですか』って聞いてみたら、どうやら日本語の勉強をしていて、元々革とか日本のクラフトがすごい好きだったみたい。それでたまたまヘルツのHPを見つけて、ブログとかを読むようにしてたら、アオリノハンドバッグを発見してくれて、『すごく迷ったんだけど電話したんです』って話をしてくれた。」

松下
「すごいですね。だって知らない国に日本語で電話して、しかも実際に来てくれるって、相当な勇気ですよね?」

青木
「そうそうそう。わざわざそんな大変な思いまでして、しかもはるばる仙台まで来てくれるなんて、本当に有難いことだよね。それで、電話でもお話してくれてたグリーンのアオリノハンドバッグを実際に購入してくださって、お店で一緒に記念撮影もしたり。『大事にします』って言ってくれて、すごい嬉しかったなあ。」

 

仙台店在籍当時の青木。

(当時の青木の様子。実際の記念写真は、お客様から「恥ずかしいので、、」とのお言葉を頂いたので、本人のみで失礼します。)

青木
ヘルツって、作り手も一人ひとり情熱をもって作っていると思うし、鞄を作ること、ヘルツが好きだっていう気持ちが強いスタッフが多いって思うけど、お客様もそうなんだって改めて思ったの。仙台でブログを書いていた頃は特に、そういうお客様一人ひとりに届くようなブログっていうのを意識して一生懸命書いてたから、、、頑張ってやってた甲斐があったなあって。」

松下
「思いが実ったっていう感じですね。」

青木
「そうそう。鞄を作る人、それを売る人、発信する人、いろんな人の手を通じて、遠い国の人に届いたわけだけども、お客さんの情熱を感じられたし、涙が出るほど嬉しかった。」

 

自分らしさ、ヘルツらしさ

自分らしさ、ヘルツらしさ

松下
「これはアオリノハンドバッグに限らずの話なんですが、普段どんなことを意識しながら鞄を作っていますか?」

青木
「そうだねえ。私の場合は、鞄を作りながらお店に立つことが多いから、結構お客さんの声をダイレクトに聴ける機会が多い。それは自分にとってすごく有難いことで、かなり影響があるね。だからそこを活かして、よりお客さんに求められていて、かつ自分のエッセンスが入ったもの、それが噛み合ったものを意識して作ってるかな。

松下
「なるほど~。なかなかこう、思っていてもうまく表現できないことってあると思うんですけど、試作も結構作るんでしょうか。」

青木
「そうだね。私たぶん人よりも試作の数が結構多いと思う。上手な人は割とすぐ頭の中のものが出来上がって、そう何個も作らないけど、私は結構下手で。(笑) こういうエッセンスが欲しいっていうのは頭の中にあるけど、そこにたどりつくまでに10個とか、今作ってるものも7個とか作ってるけど、これでもまだ全然完成しないからね。」

松下
「10個!新作作りの大変さが伝わってきます。こういうところは大事にしたいっていうポイントは何かあるんですか?」

青木
「なんだろうなあ。そもそものきっかけは、製品ページに書いてある通り、小分けが出来て仕切れる鞄が欲しいっていうお客さんからのリクエストだったんだけど。ヘルツってレディースが少なめじゃない?こういう腕かけの鞄自分もほしいなって思ったから、ヘルツにはあまりない女性らしさも大事にしたかな。」

 

(実際の青木によるスケッチ。鞄作りには欠かせない作業の一つ。)

青木
「あとは私が他の人より意識しているのは、服の合わせ方かな。『こんな雰囲気のワンピースにこんな鞄を合わせたい』っていう、鞄ありきのコーディネートとか考えてる。女性も合わせやすいようにサイズ感とか考えたり、ブログでも写真をいっぱい載せるけど、お客さんもイメージ付きやすいように、服装考えて撮影したりして、『自分がこれを持ったらどんな感じなるのかな』っていう想像を掻き立てるようなもの。そういう言うところを大事にしてる。」

松下
「へえー!それは女性の作り手ならではかもしれないですね。鞄を作るときに考えるのも楽しそうです。」

青木
「あと、『ヘルツの鞄は未完成です』っていうキャッチコピーあるじゃない?本当にまさしくそれで、使ってくれるお客さんがいて完成する。特別そこをすごく意識して作ってるわけではないけど、そこにヘルツらしさに通じる部分があると思う。私が作りたいっていうものだけじゃなくて、使ってくれる人を意識してどういう鞄を作るかっていう気持ちは大事にしてるね。」

 

好きなもの、楽しい気持ちを大切に

好きなものを作る、楽しい気持ち

松下
「逆にすごい苦労するところとか、悩むところとかありますか?」

青木
「うーん、結構悩むのは強度かな。デザイン的に凄くこうしたいんだけど、これは構造的に壊れやすいとか。本当はとにかく華奢に薄く軽くしたい。だって軽い方がいいじゃん。(笑)」

松下
「そりゃそうですよね。」

青木
「なんだけども、ヘルツの鞄として長年使えるようにするには、どうしてもやっぱり厚みのある革を使ったり、要らない部分は省いたり、色々考え直したりしなきゃいけない葛藤はある。そういう自分ひとりの100%の感覚では製品としては成り立たないから、難しい部分だね。」

松下
「それは大事なことですよね。自分らしさとヘルツらしさの絶妙なバランスから成り立ってると思います。」

青木
「私はまずは好きなものを好きなように考えて、製品としての作りやすさとか最終的に詰める段階で、もう少しこうしたらいいんじゃないかとかみんなで相談しているよ。チームだからさ。定番にするぞって意気込みで作るよりかは、好きな物を作ってる方が楽しいから。着地点はそこかもしれないけど、そこを意識すると何にも面白くない。普通っぽくなっちゃうし。」

松下
「楽しいって気持ちが形になってるんですね。人気の秘訣が聞けた気がします。」

青木
絶対的に自分で面白くないって思ったら面白くないって思われるし、自分で作っててかわいくないって思ったら、お客さんには売りたくはないな。自分の中での葛藤とかはあるけれども楽しいって気持ちを共有できたら最高っていう、そういう感じだよ。」

松下
「なるほど~。青木さんらしさが詰まってていいですね。」

青木
「でも、次のステップにも行きたいとは思ってるよ。メンズもほんとは作りたいんだけどね、まだなかなか難しい。それに、楽しいだけでいいのかっていう気持ちももちろんある。」

松下
「そうなんですね。きっと今の楽しい気持ちを大事にしつつ、そこを突き詰めていったら、自然と良いものが出来上がっていくのかもしれませんね。」

青木
「そうかな、へへへ、ありがとう。」

 

お客様への思い

お客様への思い

青木
「リピーターの人が多くて、同じ人が買ってくれることとか多いから、それがすごく嬉しい。サンプルの時から、ボストンに、リュック、財布、って順番に、、、。」

松下
「それはもう完全に青木さんファンですよね。前回の思い出の一品の終わりで「実はファンが多い」っていう事実を書かせて頂いたんですけれども、、、。 」

青木
「いやいやいや。(笑) きっと好きなものの感覚が一緒の人が多いんだと思うけど、作る人を気にしてくれているのは有難いよね。そういえば昔、すっごく嬉しい出来事があって。私が今まで働いていた仙台店を離れる時に、いつもお店に遊びに来てくれる、小さい女の子から、こんな物を貰ったの。」

 

女の子からもらったお守り

(実際に頂いたプレゼント。革の袋も含めて、すべて手作りで出来ています。)

松下
「わあー、すごい!これはグッときますね。私ちょっと泣いちゃいそうです。」

青木
「『東京に行ってもがんばってね』って、本当にもう、思わず涙が出ちゃって。(笑) 自分達がお客様を大事に思うのは当然だけど、お客様から大事に思って貰えるって、なんて有り難い事なんだろうって。

ヘルツが他の鞄屋さんと違うのは、工房が目の前にあって、売り手はもちろん、作り手の顔も見れること。そして私達も、お客様のお顔が見れること。時には相談に乗ったり、お互いが鞄についてお話したり、ワクワクを共有出来る事。私はそれが、何よりもヘルツを温かみのある良いお店にしていると思うの。

私はまだ7年目だけれど、ヘルツが45年以上もやってこれたのは、やっぱりお客様から愛されるお店だからだと思う。これからもこんな風に、みんなで革とモノづくりを楽しんで想いあって、ずっと作り続けていけたらいいなって。そんな気持ちで今は頑張ってるよ。」

松下
「いやあ、有難いお話ですね。身に沁みます。」

青木
「本当に感激した。これはもうお守りとしてずっと大切にしてる。皆様のおかげで、測れないくらいの活力を頂いてます。それで『次回も楽しみにしてます』なんて言われると、ほんと頑張れちゃう。(笑)」

 

皆様へ一言

青木から皆様へ一言

松下
「最後に改めて、お客様に一言いただけますか?」

青木
「え~~、難しいな、なんだろうな、、。『この鞄を誰かがどこかで使ってくれている』っていうことを考えると、それだけで凄いうれしい気持ちになるから、使っていただけるだけで十分幸せ。数ある鞄の中で選んでもらった訳だし、相棒として、その人と一緒に歳を歩んでいくような鞄になったら嬉しいなって思います。」

松下
「素敵!せっかく長く使える鞄ですからね。」

青木
人も歳を重ねると皺が増えるように、鞄だって少しずつボロボロになるけど、良いエイジングだねって、その人と一緒に成長するような鞄になって欲しいな。でもほんと、使ってくれてるだけで有難いです。」

松下
「はい、ありがとうございました!」

 

~ 次回予告 ~

渋谷工房作り手 セイジ×学生鞄風・2wayビジネスバッグ(BC-16)をお送りします。
ヘルツを長く支えるベテラン作り手の一人。普段多くは語らない、その胸の内が聞ける、、、かもしれません。

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