こんにちは。NET工房の裁断担当をしている高山です。
普段、裁断業務と同時にヘルツの革の発注業務にも携わっています。
また、イタリアでの製造現場にも立ち会うことが増え、日々皮革製造業の奥深さを感じています。


今回はそんな僕目線でヘルツの革と他社製品の革との違いについて解説したいと思います。
ヘルツの革はイタリアのタンナーに注文しているオリジナルレザーです。
それができるまでに多くの時間と手間を掛けていますが、それがなければ今のヘルツのカバンは出来上がりません。この機会にヘルツの革のことを知っていただけたら嬉しく思います。
※今回の解説は他社製品との優劣を決めるものではなく、あくまでヘルツの革の特徴を解説するものになりますので、ご了承ください。
▼革の厚み


ヘルツの革は何と言っても厚みが違います!
多くの革製品は革を適正な厚みに漉いた後、裏張りや芯材などを使用してカバンの張りや強度を出しています。
しかし、ヘルツは張りや強度を出すための芯材や裏張りはほぼ使用しておらず、革そのままの厚みを生かしたカバン作りをしています。

その理由としては、壊れにくい、アフターケアがしやすい、よりナチュラルな表情の製品に仕上がるなど色々な理由がありますが、創業者の近藤が創業初期の頃から使っていた厚革に源流があるからだと僕は感じています。


ヘルツオリジナルレザーの顔であるラティーゴは最厚で3.5mm程度あり、ベルトなどでも使われる厚みです。そんな厚くて重い革をカバンの本体に使っているのはヘルツのアイデンティティです。
▼床面の加工

革と言えばナチュラルで表情豊かな表面に注目しがちですが、革の裏面、専門的には床面側にもこだわりがあります。


前述の通り、ヘルツは裏張りを使用せずほぼ革のみを使用してカバンを作っているため、革の床面はカバンの内側から必ず見えてしまう作りになっています。
多くの場合は裏張りをする、糊剤を塗布して磨いて毛羽立ちを抑える、もしくは手を加えないという場合が多いですが、ヘルツの床加工はベルトの裏加工でも使用されるしっかりとした加工を行っています。
製品によっては一部糊剤で裏加工をするものもありますが、上記の加工をすることでさらに革の張りや丈夫さが増し、ヘルツらしい堅牢なカバンに仕上がります。
▼ナチュラルな表情

ヘルツ製品は天然の表情を生かしたナチュラルレザーを使用しており、一見して遠目には均一に見える製品でも、近くで見るとそれぞれに表情があり個性を感じられます。
ナチュラルレザーを使用しているところは他のメーカーでも数多くありますが、ヘルツはナチュラルな革の部分をできるだけ捨てたり隠したりせずに製品に生かしているところが個性的なポイントです。
高級メーカーや画一的な品質を追求するメーカーの場合使えない部分でも、それをうまく生かすことで唯一無二の製品を生み出しています。
ナチュラルな革の製造や取り扱いは難しく、機械的に一定のものができるわけではないため、傷や血筋、皺などナチュラルな表情は必ず残ってしまいますが、革作りに真摯に向き合うイタリアタンナーと、それを裁断し縫製する職人たちの技術が合わさることで、クラシックで温かみのあるヘルツのカバンが出来上がります。
以上、裁断担当者目線でヘルツの革の特徴を解説してみました。
ヘルツが好きな方や、ヘルツ製品をお持ちでない方にも楽しんでもらえましたでしょうか。
少しでも革の魅力を感じていただけましたら幸いです。
また機会があれば色々とお話しできたらと思います!




